ガタン!!

私は驚きを隠せず、慌てて椅子にぶつかってしまった。

その声の正体は、神谷爽だった。

どうして?
その名の通り、とっても爽やかな神谷君。

そんな彼が草食系男子を演じてる!?

頭がついていかない…

ダメだ、クラクラする。

「誰かいるの?」

ハッと我に帰る。

私、見つかった!?

確かに神谷君がこっちを見てる!

うう、ハズカシイ

「今の話、聞いてたよね…?」

神谷君が私に話しかけてる!?

いやいや、今はそんな場合じゃない。

冷静になれ、自分。

「ヤバイな…
ここでバレたらマズイんだけど…」

神谷君がボソボソと呟いてる。

マズイ?

何が?

バレる?


ああ、草食系男子演じてた件ね。

「仕方ねぇか…」

今、何とおっしゃいました!?

「あんた、名前は?」

わ、わ、私?

「おい、聞いてんのか!?」

ひいい、いつも見てる神谷君じゃない!!

「鈴木 …あさみです。」
「あ?聞こえねんだよ!」

めっちゃ怖いーーーーー

「鈴木あさみです!!!!!」

あれ、ちょっと声のボリューム大きすぎたかな?
神谷君が顔をしかめてる。

「うるっせぇな!」

ごめんなさーーーーい!

私がダッシュで逃げようとしたその時―