その日は久しぶりに、留美子と遅くまで一緒にいた。
たくさん話を聞いてもらった。
黙ってた事、留美子はなにひとつ嫌な顔しないで、笑ってくれた。
洸さんに、言った方がいいのかな。
留美子に話しちゃった事。
合鍵を取り出して、鍵穴に差し込んで違和感を感じた。
あれ?
携帯を確認すると、時計はすでに9時を回っていて。
あー……そっか。
もう洸さん帰ってきてるんだ……。
いつもは居ないから、この扉の向こうに洸さんがいると思うと、なぜか急に心臓が騒ぎ出した。
ドキン ドキン
はあ……。
これは、秘密がバレたことを話さないといけないからで。
それだけだ。
でも……、まだあたし洸さんの事許してないんだから。
無視無視。
意を決して部屋に飛び込むと、そのままリビングに突進した。
―――ガチャリ!
「……」
あ、あれ?
そこはもぬけの殻。
確かに人のいた気配はあるけど、それでも気配だけで。
洸さんは自室に戻ってるようだ。
なぁーんだ……。
意気込んで、バカみたい。
小さくため息を零すと、そのまま部屋に向かった。
お風呂入らなきゃ。
今度はしっかり鍵をかけて。