「それじゃあ明日ね。またメールするよ」
ヒラヒラと手を振って去って行く親友。
あたしも同じように笑顔をかえして、留美子の背中が見えなくなると大きなため息が出た。
はあっ
洸さんと一緒に住んでるって、留美子にも言ってないから危なかったぁ……。
ぐったりと一気に疲労感に襲われた。
と、その時。
「……お前らさぁ」
ビクっ!
突然背後で声がして、思わずビクリと飛び跳ねた。
見ると、呆れたように目を細めた牧野が消えて行った留美子の姿を追っていた。
「なんつー会話してんだよ」
「え?」
……今の、聞いてた、よね?
牧野はきっと今年も留美子と行きたいハズ。
あたしは、ふたりの恋を邪魔してるのかな……。
あたしから牧野を誘っても……変じゃないよね。
「あの、牧野……お祭りだけど……牧野も一緒に行くでしょ?」
「俺?」
え?と眉間にシワを寄せた牧野。
お祭りに行って、ふたり、付き合う事になるんでしょ?
「集合時間6時だから。遅れないでよね」
「え、おい立花……」
牧野が何か言いかけたけど、あたしはそれを振り切るように教室を飛び出した。