昨日も思ったけど、洸さんって綺麗。
……すごく綺麗。

パーツが整ってるのはもちろんだけど……。
切れ長の瞳は、間近で見ると少し茶色くて。
ずっと見つめていると飲みこまれちゃいそうだ。


そう、あの時……。

にわかに鼻をかすめた、煙草のほろ苦い香り。
息が触れる距離で、見つめられた、昨日の夜……。


知らず知らずに思い出して、勝手に頬が熱くなる。


こんなふうに見つめられると正直どうしていいかわからなくなる。



「な、なんで、こ、洸さんがここにいるんですか?」


うわ、めちゃくちゃどもってるし。


さらに距離を詰める洸さんは、面倒臭そうに腕組をすると、ジロリとあたしに視線を落とした。

あからさまに不機嫌な顔をして、大きな息を吐き出しながら唸るように言った。



「海ちゃん。ここの生徒?」




……はい?