恋するマジックアワー



頭の中、真っ白。


わかるのは、洸さんがそこにいて。
わたしに触れているってことだけ。



それだけ。


…………それだけだ。



ドキン ドキン ドキン



洸さんがゆっくりと体を起こす。

ベッドのスプリングが軋む音がする。


そして、ゆっくりと顔が近づいて……………。



ドクン ドクン ドクン




「……無理……」



掠れた声が唇の端にかかったその時。





洸さんは、なだれ込むようにベッドに突っ伏してしまった。

わたしの上に乗っかったまま……。




……えええええええっ!!?



「……くるし……」



苦しい!
完全に意識を手放した洸さんの全体重がのしかかる。

なんとか押しやって、ベッドから這い出た。



「もう!」



なんなのマジで!
心臓止まるかと思った。

まだバクバクうるさい胸の音。
なんとか落ち着かせようと、服の上からギュッと体を抱きしめた。