恋するマジックアワー


え!?

な、なんか今物凄い音が……。


うそでしょ……やだやだ!


お腹減って倒れてる洸さんとか、滑って転んで頭打ったまま目を覚まさない洸さんとか……

そんな姿が浮かんでは消え、浮かんでは消える。



ガチャガチャ――……ギィィィ



ゆっくりと開く玄関扉。
まるでスローモーションだ。


そして、そこから顔を出したのは……。



「あれ、海ちゃん?」

「………………」




冷えピタを無造作に額に張り付けた、ボサボサ頭の洸さんだった。


「……おかえり」



にへらと笑った洸さん。
その頬は真っ赤だ。

うわぁ、めちゃくちゃ熱ありそう……。


「あの……今、すごい音したけど……」

「ああ……ちょっとぶつけて。でも平気」


ちょっとぶつけた音じゃなかったけど……。

顔を見ただけでそうわかるほど、洸さんは熱に浮かされているようだった。