恋するマジックアワー


平気だよ?

毎年、クリスマスをしてたわけじゃない。

パパの仕事が忙しい時、わたしいつも先に寝てたんだもん。

だから寂しくなんかない。

目が覚めると、いつもパパが準備してくれたオーシャンブルーの包み紙のプレゼントが置いてあったから。



―――……
――…

そして、わたしは夢を見た。

ケーキをひとりでたいらげて、ささやかなパーティをして。
そのままソファで寝てしまったわたしに、サンタさんがきてくれた

そんな優しい夢。



フワフワ

フワフワ


すごく気持ちいい……。
甘い香り、これは……なんの香り?


まるで宙に浮いてるみたいな、そんな感覚。

パパなの?

うんん、違う……

きっと洸さんだ……。

サンタの洸さんがいる


目が合うとフワリと笑う洸さん。
嬉しくて、愛おしくて
わたしを抱くその腕に、ギュっとしがみ付く。
優しく前髪に触れたその手は、そっと頬に撫で、唇をなぞる。


まるで焦らすみたいに。


それから……それから……。


なんて幸せな夢だろう……。




「…う、さ……好き……」



まどろみの中
穏やかに微笑む洸さんに、伝わるように……


わたしはそっと呟いた。