季節はすっかり冬到来。

1年最後の月は、なんだかソワソワしていて。
浮き足立ってるように感じる。

街中は一気にクリスマスムードだし、クラスメイトの中にもその一大イベントをカップルで過ごそうって、にわかに告白ブームさえ来ていた。



うう……さむい。
こころもさむい……。

教室の窓際の席は、足先から冷えた。



「……」


洸さん……今日もあそこにいるんだ。

見える美術準備室は、この寒さの中、いつものように少しだけ窓が開いていた。

前に、閉め切ってると油絵の具独特の匂いに酔いそうなんだって言ってた。



……元気なのかな。
最近、全然顔見てないんだけど。


そうなのだ。

実は、あのキスした疑惑以来、洸さんとまともに顔を合わせていない。

ふたりで住んでるんだし、話さないのは変とかなんとか自分で言ってたくせに。

なによなによ。洸さんの嘘つき。
……とは言っても、実際会ったら平静でいられる気はしないんだけど……。


悶々と考えていたその時。
教壇横に座っていた担任が「はい、そこまで」と言って席を立った。



あ、やば。

テスト中だったんだ。

シンと静まりかえっていた教室が、いつもの賑やかさを取り戻しつつある。



期末テストも最終日。

今週末からは冬休みだ。