「ひゃっ…!」 フイに私の両手を握っていたうちの右手をフワリと持ち上げた上條さん。 右手の甲に、キスをされてしまった--- 柔らかい上條さんの唇が手の甲にあたり、ピクリと体を震わせてしまう。 キスした瞬間、上條さんは上目遣いで私に微笑を向けてきた。 その顔があまりにもかっこよく、そして上條さんから醸し出された色気に胸をときめかせてしまった。 「敦って…、呼んでくれるよね?まりあちゃん」 「…はい」 催眠術にでもかかったように、勝手に私の口から言葉が零れ落ちた。