そして私も裕也さんの事は、初めて会う気がしないと思っていた。 上條さんも、そんな風に思っているの? でも…、 言われてみれば初めて会った気がしないでもないような気がする…、かな? あえて言うなら…、 親戚に会ったような感覚? それは、上條さんの気さくな感じがそう思わせているような気もするのだけれど…。 「俺は昔からずっと、まりあちゃんの事を捜し求めていたような気がするんだ」 「あ、あの…?」 私の両手をギュッと握り締めてきた上條さんに、困ってしまった。 これって、冗談だよね?