「…ねぇ、俺の存在忘れてない?」 拗ねたように呟く声にはっとした。 しまったっ! 上條さんと話してたんだっけ--- 「すみませんっ。えっと…、何でしたっけ?」 あれ? 上條さんとさっきまで話していた会話の内容が思い出せなくて、小首を傾げてしまった。 そんな私に向かって、大きな溜息を吐く上條さんに申し訳なく思ってしまう。