【完】まりあ ~人魚姫の涙~



「…ねぇ、俺の存在忘れてない?」




拗ねたように呟く声にはっとした。




しまったっ!




上條さんと話してたんだっけ---





「すみませんっ。えっと…、何でしたっけ?」





あれ?



上條さんとさっきまで話していた会話の内容が思い出せなくて、小首を傾げてしまった。




そんな私に向かって、大きな溜息を吐く上條さんに申し訳なく思ってしまう。