「あの…。もしかして私、裕也さんなんて呼んでしまっていたけど失礼でしたよね?」
「はっ?あぁー…、大丈夫じゃね?」
突然、自分の事ではなく裕也さんの事を聞かれた事に驚いていたのか目をパチクリさせている上条さんを気にもせず、私は裕也さんの事で頭がいっぱいになっていた。
上條さんに大丈夫だと言われても、裕也さん本人が良いと言っているわけではないから……、ダメだよね?
やっぱり今後は、裕也さんと呼ばないで小田切さんと呼ばないと…、
「別に気にしてない…」
何て思っていると右隣から声が聞こえた。
声のした方を見ると、裕也さんが台本を手に私を見ていた。



