自分の座席に座ると裕也さんも私の隣に腰を下ろした。
コの字型に置かれた机に私と裕也さんは、向かい合う机の位置の一番右に座っている。
裕也さんの席から目の前の席を繋ぐ席には、どうやら監督さんやプロデューサーさん達が座るのだと座席表を見て分かった。
隣に座る裕也さんは台本を手に取り、ペラペラとページを捲っている。
足を組みながら真剣に台本を見ている裕也さんは、テレビで見る彼とはまた違った表情をしていてどうしても視線が釘付けになってしまう。
配られた紙に目を通しているふりをしながら、ついつい横目で裕也さんの仕草に胸がどきどきするのはしょうがないよね?
なんて自分自身に言い聞かせては、チラチラ見ていた。
「…あっ!」



