「さ、そろそろ行くか」 「は、はいっ!」 私の頭を撫でていた裕也さんの手がピタリと止まり、視線を室内へと向けた。 すでに多くの人達でごった返している室内では、人が忙しなく行き来している。 その中に裕也さんも入り、そして私と上條さんも続いて入っていった。 入り口横にあった受付を見つけ、そこで台本と今後のスケジュールや座席表を貰う。 「………」 座席表を見て自分の席を確認し、そして自分の席の隣の欄に注目すると---