「裕也さんがまりあちゃんに抱きついちゃってるから、ビックリしてるんですよっ!さっさと離してあげて下さい」
「あ…、あぁ---」
上條さんに促されて、裕也さんはゆっくりと私から離れていく。
恋人がいる裕也さんに少しばかり名残惜しいと感じてしまった私って、ダメだよね。
少し気持ちが落ち込みかけていたら、ふいに頭を撫でられてしまった。
「そんなにイヤだったのか?」
少しばかり眉根を下げている裕也さんにフルフル頭を振ると、更に何度も優しくなでてくる裕也さん。
そんな裕也さんを見ていると、さっきの白昼夢のせいか切ない気持ちが溢れてきて涙が出そうになった。



