【完】まりあ ~人魚姫の涙~



王子様---




私を見た瞬間、酷く驚いた顔をしていた。




何だろう?




気になった私は王子様の傍まで歩み寄り、見上げた。




「………」




言葉の話せない私は首を傾げて、『どうしたのですか?』と問うてみた。




「…何故、そのような悲しげな顔をしている?」




あぁ…、




私の今の心を顔に出してしまっていたのか。