【完】まりあ ~人魚姫の涙~



「あっ!」




上條さんに何か言おうと口を開きかけた時、スッと腕を引かれる。




そして温かい大きな何かに包まれたのを感じた。




視線を下に向けると、私を両腕で抱きしめられている事に気付く。




私に纏わりつく両腕を包んでいるその服に、見覚えがあった。




…裕也さん?