【完】まりあ ~人魚姫の涙~



「本当に気にしないで。…それとも敦さんの意思で、王子様を突き落としたの?」




私の言葉に首を振る敦さんの背中を、ユックリと撫でた。




「…そうだよね。……だから気にしないで。敦さんは悪くないんだから…ねっ?」




「ありがとう…、まりあちゃん」




そう言って私の腰に腕を回した敦さんは、私をギュッと抱きしめ返す。




「ほら、もういいだろ?…二人とも、離れろよ」




ほんの少し敦さんを安心させる為に抱きしめただけなのに、すぐに私達は蒼ちゃんによって離された。