「本当に気にしないで。…それとも敦さんの意思で、王子様を突き落としたの?」 私の言葉に首を振る敦さんの背中を、ユックリと撫でた。 「…そうだよね。……だから気にしないで。敦さんは悪くないんだから…ねっ?」 「ありがとう…、まりあちゃん」 そう言って私の腰に腕を回した敦さんは、私をギュッと抱きしめ返す。 「ほら、もういいだろ?…二人とも、離れろよ」 ほんの少し敦さんを安心させる為に抱きしめただけなのに、すぐに私達は蒼ちゃんによって離された。