【完】まりあ ~人魚姫の涙~



そう言ってこの倉庫に入ってきたのは勿論、私達を呼び出した張本人である監督だ。




「いいえ、それより話しとは?」




急かすように話す私に、監督は苦笑いをする。




「まぁ、そう焦るな。取り合えず、奥にある椅子にでも座ろう」




ドア付近にいた私達を誘うように、ズンズン奥へと進んでいく。




そんな監督の後ろから着いて行く私達は、物凄く緊張していた。




「さ、ここに座って」




倉庫の奥に来た私達を待っていたのは、応接室のようなちょっとした部屋だった。




と言っても仕切るドアがなかったから、部屋と言っていいものかどうかは分からないけれど…。