私に気がついた蒼ちゃんが手を振ってくれ、私もそれに答える。
それに続き、敦さんもニコリと笑みを浮かべながら片手を上げてくれた。
煌びやかな王宮の間と言うこともあってなのか、この二人の笑顔がいっそうキラキラ輝いて見え眩しさに目を細めてしまう。
そんなキラキラした二人に向かって手を振った後、手を下ろすと同時に視線を感じた。
敦さんの隣にいた無表情の裕也さんが、私を見ていたのだ。
「あっ…」
思わず声を上げてしまった私を気にする事なく、すぐに視線を逸らされてしまう。
そんな裕也さんの態度に、気持ちが沈んでいった---



