とにかく手を振っている兄さんの後ろまで来た俺はそのまま---




……、




………、





思い出した…。




俺が…、




兄さんを海へと突き落とした?




顔を片手で覆いつくし、今思い出したことが信じられず頭から追い出そうとする。




しかし兄さんをこの手で落とした感覚までもが思い出してしまい、体が震えてきた。




まさかそんな…、




信じられない---




兄さんの事をただの一度も恨む事なく、敬愛し続けてきた俺がそんな事をしただなんて---