【敦SIDE】
前世の事を思い出そうと目を瞑る。
あの日…、
なぜか外に出ようとしている兄を見つけソッとつけて行くと、やはりというかなんというか…。
扉を開けた兄さんはそのまま外へと足を滑らせ雨を気にする事なく、そのまま突き進んでいくのを見た。
俺もそれに続き扉を開けるとそこは、強い風と大雨に加え夜も合いまって視界が悪く少し躊躇した。
しかし先程ここから出て行った兄さんの事が気になり、辺りを見渡す。
微かだがその存在を視界に捉えることが出来た兄さんを追いかける為、ゆっくりとついて行った。
こんな天候の中、夜風に触れようと外に出るだけではないだろう---
と言うことは、なにしに外へ出る?



