「美月っ!」 「まりあ、大丈夫だった?」 「うんっ、ありがとっ!」 走りながら美月にお礼を言うと、振り返って私にニヘラッと笑った。 それに微笑みを返してから、私は前を見据える。 「実は今朝、メールでまりあの幼なじみ君からまりあの事、頼まれたんだよね」 下駄箱で二人、息を整えながら上履きを手に取ったとき美月の言葉に固まった。