それより…、 手の甲にキスしてきたアラン様から自分の手を離してもらおうともがくと、今度は抱きしめられてしまった。 「……っ!」 アラン…様? 「お願いだ、俺を拒まないで。…本当にマリアが好きなんだ」 苦しそうにアラン様から零れ落ちる言葉に、体が動かなくなってしまった。 だって、この苦しみは私が王子様に向けるものと同じような気がするから…。 アラン様のエメラルドの瞳が私を捉える。 そして徐々に顔が近づいてきた---