【完】まりあ ~人魚姫の涙~



だって…、




私は王子様が好きだから---




そして王子様を射止めることが出来なければ、私は海の泡となってしまう。




でも…、




たとえ泡になる事はないとしても、やはり私は王子様以外の人を好きになる事はない---




だからごめんなさい、アラン様。




そんな気持ちを込めてアラン様の手を取り、エメラルドの瞳を見つめた。




「マリア…、そんな悲しそうな顔をしないで。…無理強いはしない。ゆっくりと俺を見てくれればいいからさ」




いえ…、




ですから私は王子様以外の方とは---