「…マリアが兄さんを好きなのは知っている」 「…っ!」 アラン様の言葉に思わず息を飲んでしまった。 なんで私が王子様の事を好きだと知っているの? 口に両手を当て、目を瞬かせながらアラン様を見る。 「…どうして知ってるかって?………さっきも言ったけど、俺はマリアが大好きだから。マリアがいつも見ている先には兄さんがいた。そんなマリアを毎日のように見ていたら、イヤでも気付くだろ?」 辛そうに微笑むアラン様には申し訳ないけれど、私はアラン様に答えることは出来ない---