「マリアは本当に海が好きだね。暇さえあればずっと見てる」
言葉を話す事の出来ない私は、素直にアラン様の言葉にコクンと頷きもう一度海を見た。
キラキラと輝く今日の海は穏やかで、昨日までの嵐がウソのようだった。
「俺も海が大好きだ」
顔を上げアラン様を見れば、気持ちよさそうに海を眺めている。
そんなアラン様は私の視線を感じ取ったのか、顔をこちらに向けニコリと微笑んでくれた。
アラン様はいつもそう。
私を見かけるたび微笑みながら声をかけてくれる優しい方で、一緒にいてとても楽しくなる人だった---
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