「…どうかしましたか?」 「へっ?」 声のした方を見ると、そこには監督が立っていた。 「泣いてますよ」 そう言われ自分の目元に指を持っていくと、…濡れている。 涙がこぼれ落ちていた--- 「すみませんっ!せっかくのお化粧が取れてしまいますよねっ」 「あぁ、大丈夫。撮影前にもう一度、化粧の方は直させますから。それよりどうしたんですか?」