二人はまるで、恋人同士のようだった--- 裕也さんが笑っていてそれに対し女性は、頬を膨らませながら裕也さんに肘でつついている。 女性はとても綺麗な人だった。 黒のシックなスーツを着こなし、肩まで伸びるサラサラの髪。 微笑む姿は誰よりも魅了していて、本当に大人の素敵な女性--- この人こそ隣の国のお姫様であり、王子様の婚約者にピッタリだな。 そう思いながらも私の胸に、黒い靄が立ちこめていく。