「はい、さっきの始業式でも言ったんですけど
これから2年5組のみんなと勉強させてもらう
原口翔太です。
よろしくお願いします。」
自然とおこる拍手が嬉しいのか、
またあの笑顔だ。
「はいはーい。質問いいですか?」
と立ち上がったのは、生徒会長の伊東雅弘くん。
あだ名は まぁちゃん。
「お、いいぞぉ。なんでもこい」
「先生は彼女いますか?」
出た、王道の質問。
若い人には誰にでも聞くよね、みんなw
「王道だなぁ。うーん、いません。」
その途端にクラスの女子の目が輝く。
もちろん、私と優子以外ね。
私の席はちょうど教卓の真ん前…。
だからかな、さっきとても不思議そうな顔でチラ見された。
なんなんだよコイツは。
「ほか、質問は?」
みんな質問を探している様子だ。
あれ、今先生と目があった。
なんで見てくるのかな。
っていうか目が合うってことは私も先生のこと
見てるってことじゃん。
馬鹿じゃん、私。
