暗幕の裾から風が吹き去ると、薄暗い向こう側の景色を見せてくれた。
風と共に揺れる短い髪。
日光を浴びてないように白い肌。
華奢な体格。
何でだろう、目が惹かれてしまう。
ガタッ
「!」
「あ…」
思わず物音を立ててしまった。
振り向いたのは、同じ学年の男子。
江藤 玉紀
「あ、いや…誰も居なかったか気になって、でも江藤君いたんだ」
「うん」
整った綺麗な顔が寂しそうなでも無表情に近い顔しながらそう答えた。
「江藤君以外、誰もいない感じ?」
「うん、戸締りと鍵の返却なら任せて」
江藤君はそう言って、指にはめた美術室の鍵を見せてくれた。
「あ…う、うん。
じゃあ友達待たせてるから」
「うん」
そう言って私は美術室を出た。
江藤君と初めて喋ったな…。
江藤 玉紀
確かお父さんが芸術家なんだっけか?
誰かが言ってたけど。
やっぱお父さんみたいになるから、美術部にいるのかな?
そう考えながら、美希の待っている玄関まで戻った。
「お?春~!」
「お待たせ~」
「いやいや、そんな待ってないよ。
早かったね?」
「まだ部室に江藤君が残ってたから、戸締りと鍵任せて来た」
「江藤まだいたんだね!」
そう言って靴を履き替える私に、美希はこう言ってきた。
「江藤ってさ、モテんのかな?」
「え?」
思わぬ言葉を聞いて、思わず声が出た。
「いや…その、実は前から江藤の事気になってたんだよね」
美希はそう言って玄関を出た。
「いやいや、だって前は嵯峨が好きだって言ってなかったけ?」
美希の後を追い、駆け足で美希の隣に並んだ。
「嵯峨ね~実は彼女いるらしくってさ、だから諦めた」
「え?彼女いたっけ?」
「他校にいるみたいだよ?前に美雪たちが街でデートしてるの見たんだって」
風と共に揺れる短い髪。
日光を浴びてないように白い肌。
華奢な体格。
何でだろう、目が惹かれてしまう。
ガタッ
「!」
「あ…」
思わず物音を立ててしまった。
振り向いたのは、同じ学年の男子。
江藤 玉紀
「あ、いや…誰も居なかったか気になって、でも江藤君いたんだ」
「うん」
整った綺麗な顔が寂しそうなでも無表情に近い顔しながらそう答えた。
「江藤君以外、誰もいない感じ?」
「うん、戸締りと鍵の返却なら任せて」
江藤君はそう言って、指にはめた美術室の鍵を見せてくれた。
「あ…う、うん。
じゃあ友達待たせてるから」
「うん」
そう言って私は美術室を出た。
江藤君と初めて喋ったな…。
江藤 玉紀
確かお父さんが芸術家なんだっけか?
誰かが言ってたけど。
やっぱお父さんみたいになるから、美術部にいるのかな?
そう考えながら、美希の待っている玄関まで戻った。
「お?春~!」
「お待たせ~」
「いやいや、そんな待ってないよ。
早かったね?」
「まだ部室に江藤君が残ってたから、戸締りと鍵任せて来た」
「江藤まだいたんだね!」
そう言って靴を履き替える私に、美希はこう言ってきた。
「江藤ってさ、モテんのかな?」
「え?」
思わぬ言葉を聞いて、思わず声が出た。
「いや…その、実は前から江藤の事気になってたんだよね」
美希はそう言って玄関を出た。
「いやいや、だって前は嵯峨が好きだって言ってなかったけ?」
美希の後を追い、駆け足で美希の隣に並んだ。
「嵯峨ね~実は彼女いるらしくってさ、だから諦めた」
「え?彼女いたっけ?」
「他校にいるみたいだよ?前に美雪たちが街でデートしてるの見たんだって」
