「そろそろ本題に入るとするか」
話を逸らすようにリオンに背を向けそう言うと、一冊の本を手に取った。
そしてその本をパラパラと捲りながら目を素早く動かす。
「セルビアには、何時も頼ってばかりですね……」
そんな彼女の後ろ姿を見つめ、リオンは両手をコップ に添えながら呟いた。
「我は君の為なら何でもするさ。君は我の唯一大切な友であり、心を許せる存在なのだから」
「僕が何をしようと、そう言えますか……?」
悲しそうな瞳でコップの中身を眺めるリオン。
彼を心配そうに見つめた後、パタリと本を閉じる。
「もう何も言うな……さぁ、準備は出来た」
そう言うと彼女は手にしていた本を手離した。

