嫌味に笑うセルビア。
意味ありげな言葉に何が言いたいと顔をしかめていると…
「大丈夫か、コウガ?」
レオンが心配そうに声をかけてきた。
何も言わず佇んでいたコウガを不信に思ったのである 。
「あぁ、大丈夫だ。問題無い」
ハッとして微笑みそう言うと、ガタリと何かが倒れるような物音と驚いたように叫ぶリオンの声が背後から聞こえてきた。
何が起きたのかとそちらへ顔を向けると、クレアに寄りかかるイースと彼女に駆け寄るリオンの姿があった。
レオンは歩み寄りイースの様子を伺う。
赤く染まる頬。
荒い息づかい。
コウガは屈みイースの額に手を添えた。
「酷い熱だ……」
数秒して手を離しそう言うと彼女を抱え何処か休める宿を探そうと外へ向かう。
「隣を使うと良い。部屋は空いておる」
宿を探しに行くコウガ達を引き止めたセルビア。
隣の家を指差し近くにいたジークに鍵を渡すのだった。

