話が見えず数回まばたきを繰り返していると…
「彼女の虹色の左目は、見つめた相手の力を取り込む事ができるんです」
コウガの傍にいたリオンが説明するように話してくれた。
「見つめただけで、相手の力を自分のものにできる と?」
「はい。彼女はどんな力も手に入れる事ができる。全ての力を手にすれば、神さえも殺す事ができる。だから彼女は神殺しと呼ばれ、そして孤独になった……」
悲しそうな顔をしたリオン。
彼の言葉に疑問を抱きながら、ふと先程の事を思い出す。
初めて彼女と会った時、彼女は待っていたと言っていた。
まるでリオンが此処へ来る事がわかっていたような物言い。
そしてリオンとは面識がある様子…
色々と考えていると…
『その通り、我は神の瞳を持っておる』
言葉にしていないのに帰ってきた言葉。
そして頭に響く声。
突然の事に驚き辺りを見回すと、此方に向かい微笑むセルビアと目が合った。

