突然の事に驚いたが、彼女は軽やかに着地した。
「我が名はセルビア・フォールン。神をも越える力を持つ者よ」
床に足を着け顔を上げると彼女は名乗る。
どこからか吹いた風に靡く髪。
隠れた左目が露わとなった。
それは虹色に光る不思議な瞳。
初めて見るそれに釘付けになる。
コウガは数秒その瞳を見つめていると…
「目を見ては駄目です……」
その声と共に塞がれる視界。
視界を失い驚きながら声の方へと顔を向けると、少女から目を逸らすジークの姿があった。
「心配しなくとも、君になど興味はない。力を使う度命を削る能力など、我には必要はないからな」
「フンッ……死ぬのが怖いと言う訳ですか……」
目を逸らすジークに嫌味に言うセルビア。
そんな彼女に対しジークは鼻で笑い、何故か2人は言い争いだしてしまった。

