山に囲まれた小さな街。


隣接する街はなく孤立しているものの、街は賑やかでそれなりに繁栄した様子である。



大人達は店先で笑い合い、子供達は元気に駆け回る。


余所見をしながら駆けてきた少年が正面からコウガにぶつかった。


その少年の肩に手を置き屈んで大丈夫かと顔を覗き込む。


少年はハの字に眉を寄せ恐る恐る顔をあげるが優しく微笑むコウガを目にし、ごめんなさいと謝ると再び駆けていった。




 「何だか、賑やかな街ですね」


この街にやってきたコウガ達6人。


リオンに付き添うイースは呟き、華やかな雰囲気にレオンは辺りを見回した。


一方クレアは顔を伏せ、長い銀髪で顔を隠す。





暫く歩いた後、リオンはある家の前で立ち止まる。



それは普通の一軒家。

周りの家々と何の変わりもない。



リオンはその家を見上げた後、意を決した様に扉を開けた。