Blood Tear



鬱蒼と生い茂る緑。

晴れ渡った青い空。

目の前に広がるのは透き通るほど透明な水を溜める大きな湖。

水面に映るのは眩い太陽と青い空。


空中では小鳥達が羽ばたき、水中では小魚達が優雅に 泳ぐ。




 「ハァ、疲れたぁ……」


靴を脱ぎ足を水に浸けたレオンは溜め息を吐きグルリと首を回す。


言葉通り疲れているのか大きく伸びをした。




 「イース、気をつけて下さい」


心配そうな声をあげるのは不安げな面持ちのリオン。


彼の視線の先には水面を覗き込むイースの姿。




 「見て下さいリオン様、魚達が空を泳いでいるよう です!」


目を輝かせ興味津々に水面を覗き込む彼女は優雅に泳ぐ魚達を指差した。



そんな彼等の後方、樹木に登り太い枝に腰掛けるのは銀髪の女性クレア。


長い銀色の髪を風に靡かせる彼女は眠っているのか瞳を閉じゆっくりと呼吸する。




彼女の座る樹木から少し離れた所、何重もの年輪を刻む切り株の幹に背を預ける茶髪の男性。


スカイブルーの穏やかな瞳の彼、コウガはゆっくりと4人を見回した後、何かを考えるように空を見上げた。




風に乗り流れる雲。

旋回する1羽の鳥。

眩い光を放つ真っ赤な太陽。



眩しそうに目を細め新鮮な空気を思い切り吸い込むと疲れたのかゆっくりと瞳を閉じた。