「リオン様、怪我はないですか!?大丈夫ですか!?」
一度抱き締めた後身を離すと、肩に手を乗せリオンに目を向ける。
猫のような丸い瞳で心配そうに見つめると、怪我はないかとリオンの全身をくまなく見渡した。
一通り全身を見渡し終えるとホッと安心したように息を吐く。
「僕は大丈夫です。それよりイースこそ無事ですか?」
「イースは頑丈ですから。それよりもリオン様、無 事でなによりです!」
胸を叩いて見せる少女。
そんな彼女に穏やかな表情を向けるが、首に残る赤い痣が目に入る。
先程の戦闘で受けた怪我を目にした瞬間、悲しそうに眉を潜め瞳に映った痣から逃げるように目をそらす。
一方少女は喜びの笑顔を浮かべ再びリオンに抱き付く。
2人のやり取りを口を挟まず見つめるコウガ達。
少女はそんな彼等に気づいたのか、リオンから離れるとコウガと向き合った。
「助けて頂きありがとうございます!お陰で命を救われました!」
コウガの手を取るとブンブンと上下に振る。
喜びを目一杯に表現する少女に呆気に取られながらもコウガはにこやかに微笑む。
ツインテールにしたピンクの髪にラベンダーの丸い瞳。
箒を武器とする彼女の名はイース・ヴェル。
常にリオンの傍につく、自称神も認めるリオン様の守護だそうだ。

