少年に手が届きそうになった時、男は何かを感じ取ったのか突然後ろへ跳んだ。


不思議に思い目を開けると、茶髪の男性の後ろ姿が目 に入る。



彼は剣を手に少年の前に立つと眼鏡の男性を鋭く睨む。




眼鏡の男の頬には傷があり、鮮血がツッと流れる。




 「頭脳派だから、戦闘は得意じゃないんだけどなぁ……」


血を拭いジッと見つめながら呟くとそれを白衣に擦り付け赤い模様を描いた。




 「にしては、よく交わせたな」


 「それはどうも」


そんなやり取りをしていると、男性の背後から何者か が猛スピードで迫って来ていた。


気付いていないのか、彼は振り向かない。



上体を屈め低い姿勢で近づく灰色の髪の男性。



素早く拳を引き目一杯の力を込めて拳を振るった。




 「なっ……!?」


人間離れした力を使った攻撃。


だがその攻撃は痩せた少女にによって受け止められる。


それも、片手だけで…



もう片方で手首を掴むとレオンを一本背おい。


軽々と彼を持ち上げた。




宙に浮いたレオンは目を見開きながらもすぐさま反応し片手を地につけ器用に着地する。