「…うぅ……」


 「イース…!」


声の元へと目を向けると、少女の姿が目に入った。

名を呼ばれた少女は首を閉められ顔を歪める。




 「彼女はまだ実験段階のアンドロイド。試作品で感情も意志もない。手加減なんか以ての外」


か細い腕からは想像出来ない力で首を閉めるアンドロ イド。


彼女は苦しみに顔を歪め、首を掴む腕に爪を立てる少 女を不思議そうに見つめていた。





彼女を救いたい。

でも、助けに行ったとして何ができる?

何の力もない自分には、何もできやしない…



自分の無力さに拳を握り、前方へと視線を戻す。


すると、すぐそこには男性の姿が。



そして彼は少年を捕らえるべく手を伸ばす。




抵抗もできない。

逃げ場もない。

このまま捕まるしかないのか…




そう思いながら力強く目を瞑る。