生暖かな鮮血が身体を染める。
走り抜けるのは身体を斬り裂く鋭い痛み。
身体を貫く刃の切っ先からポタリと滴る血の雫。
誰もが息を呑む静かな空間で、床に落ちる血の音がやけに大きく響き渡る。
「くっ……」
苦痛に顔を歪めるコウガの身体を貫くレイピア。
しかしその刃は彼の心臓を貫く事は無く、反れた切っ先は肩を裂く。
「っ……ぅぅっ……」
バタリと音を立て床に倒れたのはライア。
首から噴き出す多量の血が床に広がり血溜まりを作る。
コウガの身体を染める血は自信の流したもので無く、倒れるライアの流したもの。
「ハァ…ハァ……っ……」
驚いたようにコウガを見上げるライアは血を吐きながら苦しそうに息をする。

