「ハハッ…無駄だよ。無理に決まってる。残念だけど、彼は君を助けになんか来ない。だって彼は、僕に手を出す事なんてそんな事出来や――」
嘲笑うライアだが、その背から勢い良く噴き出す鮮血。
がら空きだった背を斜めに斬られ傷を負う。
肩越しに振り向けば、直ぐ傍で剣を振り下ろす人物の姿が目に入る。
「…コウガ……」
彼の姿を目にし名を呟くクレアはホッとしたのかライアを掴むその手を離す。
自由の身となったライアは彼女からレイピアを引き抜きその場から離れると傷口に手を添え治癒をする。
「…何故…どうして……」
「何故かって…そんな事決まってるだろ……仲間がこんな目にあってるんだ。何もせずにいられる筈がないだろ!」
何処か困惑しているように見えるライア。
そんな彼を睨むコウガは怒りを露わに声を荒げた。

