頬の血を乱暴に拭うライアはスティングへと鋭い眼差しを向けていた。
そしてまたスティングも、その瞳に臆する事無く彼を真っ直ぐに見つめる。
「俺は間違っていたんだ。今度こそはお前を護らなければならないと、そう思っていたのに俺は、お前をちっとも護れてはいなかった……」
悲しそうに遠い目をするスティング。
彼のその表情と言葉に目を細めるライアは苛立ちを覚え始める。
「僕を護るんだろ?だったら何故其処に居る?どうして僕と敵対する?護るとそう言うのなら、君は僕に従うべきじゃないのか?」
「否、それは違う。それではお前を護る事も、救う事すらも出来やしない。闇に身を投じ悪の色に染まるお前を、その暗闇から光へと導き正しき道に誘う。それが俺の役目であり、俺がやるべき事なんだ」

