鋭い刃はシェイラの身体を斬り裂くのみ。
何の迷いも無く獲物を仕留めに向かって行った。
「ん?」
しかし、その刃はシェイラに触れる前に何者かによって弾かれる。
刃を払いのけたのは巨大な大剣。
ライアとシェイラの間に割って入ったそれは流れるようにライアの身に斬りかかる。
「っ……」
瞬時の反応でそれを交わしたライアは一旦身を引き距離をとる。
ポタリと落ちた赤い雫。
彼の肌理細かな白い頬には切り傷が走る。
「…何スティング…君、僕を裏切る気……?」
顔にかかる髪の隙間からギロリと睨むその先には、味方である筈のスティングの姿。
大剣を手にする彼は、紛れもなくライアへと斬りかかった本人だった。

