Blood Tear



 「先に言っておくが、戦う意志はない。まぁ、お前達がその気なら別だが」


戦意はないと右手を挙げてみせる彼、スティング。


捲れたローブの中から血の滲む包帯がちらりと見え、其処にある筈の左腕は存在しない事がわかる。




 「戦意はないだ?そんな事信じるとでも思ってんのか!?」


身を低くし戦闘態勢をとるレオンはスティングを鋭く睨み威嚇する。



刀を構えるジークはシェイラを護るように前に立ち、隣に立つレグルは手にした銃の引き金に指を添えた。




 「俺は只、お前達と話をしたいと思い此処に来ただけだ。無駄な血を流す為に来た訳じゃないんだが」


話の通じぬ彼等に呆れたスティングは溜め息を吐くと古傷の残る右頬をかく。


そんな彼の様子を、未だソファーに座ったままのクレアは溶けて零れたアイスを舐め取りながらも鋭く細めた赤い瞳で睨み付ける。