「ご推察の通り、僕はライア。君の愛した女、アリアではない。残念だったね」
嫌みたらしく言うと腕を組み、未だニヤニヤ笑い続けるライア。
その態度に苛立ちを覚えたコウガは奥歯を噛み、軋む床を力強く蹴ると剣を振り下ろす。
「そんなに敵意むきだしに斬りかかってこなくてもいいじゃないか。せっかくこうして2人で会う事ができたんだ。少し位仲良く話でもしようよ」
「黙れ……」
振り下ろされた刃は空を切る。
コウガの攻撃を難なく交わしたライアは彼の背後に回り込む。
そしてその身に腕を回そうとするが、振るわれた剣によってそれは拒まれる。
後退し距離を取るライア。
彼を睨むコウガは何度も剣を振るい続けた。
アリアに化けた彼が憎くて。
アリアになりすました彼に憎悪して。
アリアを利用した彼が許せなくて。
何度も何度も、怒りを露わに斬りかかった。

