レグルは奥歯を噛み締め怒りに耐える。
どんな表情をしているのか分からない。
でも多分、酷く醜い顔をしているのだろう。
「…お前にとって彼女達は何なんだ……」
「?」
「…お前は、彼女達を何だと思っている……」
「何って、何でもないよ。これは只の道具。人の形をした玩具。がらくたも同然なのだから、不要となれば廃棄する。それは当たり前の事だろ?」
低い声で問うレグルの言葉に答えるマットは嫌味に笑いながら目を細める。
「もしかして、まだ根に持ってる?あのホムンクルスの……っと……」
ヒュッと目の前を通過する鋭い刃。
咄嗟に身を引くが完全には避けきれず、頬を赤い血が伝って行った。

