辺りに赤い液体が飛び散りこの地を赤く染めてゆく。


その光景を目に、クレアは高笑い。




そうなる筈だった。


だが、実際は違っていた。
現実は異なった。



クレアの鎌は地に突き刺さり、飛び散ったのは黄土色 の柔らかな土のみ。


その地は赤くは染まらない。




 「あっぶねー……」


声のした方向に顔を向けると、そこには灰色の髪をし た男性の姿が。


彼の傍にはコウガの姿もある。




 「レオン…助かった、ありがと……」


 「助かったじゃねぇよ…何気緩めてんだよ、こんな時 に…お前、死ぬ所だったぞ……」


危険だったコウガを救ったのはレオン。


彼は人並み外れたスピードを生かしコウガを救ったのだ。




獲物を仕留めたと思っていたが逃がしてしまい、クレ アは2人を睨むと地に刺さった鎌を抜く。



それを見た2人は状態を整えるとすぐさま戦闘態勢を取る。



だが彼女は2人に背を向けた。


そして地を蹴るとベンチの方向へと走り出す。


唸り声を上げながら素早く鎌を持ち上げ、男性目掛け力の限り振り下ろした。