Blood Tear



シェイラの言う事が事実だとすれば、嘘を吐いているのは…




 「…何時も私を庇って、私を護って下さった……御姉様は居ますよ……私には御姉様が―――」


 「でしたら、御姉様の名は何と申すのです……?御姉様は何と呼ばれていたのです……?」


 「名前……」


そうだ…
名を聞けばシェイラも思い出してくれる筈。


御姉様は何と呼ばれていた?
自分は何と呼んでいた?




 「…ティム……」


そうだティム…

両親はティムと呼んでいた…



ティム…?

私がティム…

ティムは私…




だったら、私の変わりに痛みを引き受けていた彼女は一体…




 「…私は…彼女は……誰……?」


両手で顔を覆う彼女は誰に問うたかもわからぬ疑問を投げかけた。