彼の身に纏うローブを目に、コウガは素早く剣を手にする。
低く構え、剣先を彼に向ける。
だが、男性は何の危機感も持たず数歩歩くとベンチに腰掛けた。
そんな彼を鋭く睨んでいたが…
「よそ見してたら、死んじゃうよ?」
足を組みそう言うと嫌味に笑いながら指を差す。
眉を潜め指差す方へと目を向けると、鎌を片手に立ち 上がるクレアの姿が。
銀髪の隙間から覗く赤い瞳と目が合う。
その瞳は血よりも赤い色をして、殺意に満ち溢れてい る。
口角を上げ、不気味に笑うと鎌を両手で握り地を蹴った。
高々と鎌を振り上げ、距離を縮めるとコウガに襲いか かる。
振り下ろされた鎌をとっさに剣で受け止めた。
重い鎌を押し退け後ろに跳び、クレアとの距離をとる。
だが彼女はすぐさま鎌を構え直し、再び攻撃を仕掛けてきた。

